フラメンコや闘牛などで知られ、イスラムの影響が文化にいまだ色濃く残るアンダルシア州を中心とした地方。多くの日本人にとって、スペインと言えば真っ先に思い浮かべる地方。

ピカソの生誕地で欧州有数のリゾート地であるコスタ・デル・ソルの中心地マラガ、イベリア半島最後のイスラム王朝の本拠地であったアルハンブラ宮殿で有名なグラナダ、セビリア大聖堂アルカサルインディアス古文書館などの世界遺産を擁するセビリア、メスキータやユダヤ人街を含む「コルドバ歴史地区」などの世界遺産を擁するコルドバ、など多数の観光都市が存在する。

ワイン産地としては、DOマラガ、DOシエラ・デ・マラガ、DOモンティーリャ・モリレス、DOコンダード・デ・ウェルバ、DOヘレス・ケレス・シェリー・マンサリーニャ・サンルーカル・デ・バラメーダ、の5つ。

代表的なブドウ品種は、白がパロミノ、ペドロ・ヒメネス、モスカテル、黒がガルナッチャ、テンプラニーリョ

目次

DOマラガ

ワインの特徴

地中海沿岸から内部の山間部まで多様な土壌と気候条件に恵まれ、多様なワインが造られる。

酒精強化したものと、そうでないものがあり、甘口から辛口まであるが、ペドロ・ヒメネスとモスカテルから造る甘口の白ワインが主体。

尚、DOマラガ地区内で作られる辛口スティルワインは2001年からDOシエラ・デ・マラガを名乗っている。

DOモンティーリャ・モリレス

ワインの特徴

コルドバの南の内陸部にあるため、昼夜の寒暖差が激しく糖度の高いブドウが造られることから、アルコール度数が15%近くになり、酒精強化することなくシェリーに似たワインが造られる。

主体となるブドウはペドロ・ヒメネス(シェリーの主体はパロミノ)。

DOコンダード・デ・ウェルバ

ワインの特徴

大西洋沿岸、シェリー産地の西にある産地。

土着品種の白ブドウ、サレマから造られるフレッシュな白ワインで有名だが、酒精強化ワインもある。

DOヘレス・ケレス・シェリー・マンサリーニャ・サンルーカル・デ・バラメーダ

ワインの特徴

言わずと知れた、シェリーで有名な産地。白ブドウのパロミノを主体とし、酒精強化の後、ソレラシステムと呼ばれる独特な手法を使って樽熟成させる。辛口から極甘口まで幅広いタイプがある。

辛口はパロミノを原料とし、フィノ(アルコール度数15%~17%)、マンサニーリャ(塩味を感じる、アルコール度数15%~17%)、アモンティリャード(酸化熟成によってナッツのような香りと味わい、アルコール度数16%~22%)、オロロソ(さらなるアルコール添加、酸化熟成により芳醇な香り、アルコール度数17%~22%)、パロ・コルタド(アモンティリャードとオロロソの中間タイプ)などのタイプに分かれる。

極甘口はペロド・ヒメネス(ペドロ・ヒメネスを原料)とモスカテル(モスカテルを原料とする)がある。

さらには、辛口と極甘口をブレンドした甘口の、ミディアム(アモンティリャード+ペロド・ヒメネス)、クリーム(オロロソ+ペドロ・ヒメネス)がある。