モナストレル
モナストレルはスペイン、バレンシア地方原産の黒ブドウ品種。フランスではムールヴェードルと呼ばれる。また、カリフォルニアやオーストラリアでも栽培されており、マタロと呼ばれている。
スペインでは地中海沿岸地域で多く栽培されており、ムルシア州ではブドウ栽培面積の約80%をモナストレルが占める。
モナストレルは発芽が遅く、遅霜に強いため標高の高い地域での栽培に適している。また、熟すのも遅いため、その香りのポテンシャルを十分引き出すためには温暖な気候が必要。また、旱魃にも強い品種なので、降雨量の少ない地中海沿岸地域での栽培に適している。このような温暖かつ乾燥した地域では有機栽培が比較的容易であるため、近年多くの栽培農家が有機栽培に切り替えている。
果実は小粒で果皮が厚いことから、ポリフェノール類の含有量が多く、濃い色調のタンニンがしっかりした長期熟成タイプのワインを作るのに向いている。この品種から早飲みタイプのワインを作るためには、醸しを短くしてタンニンの抽出を抑える必要がある。またカーボニックマセレーションも早飲みタイプのワインを作るためには有用。
早飲みタイプのワインはフレッシュな黒系果実の香りと、比較的軽やかなボディを持つ。長期熟成タイプのものは熟した黒系果実の香り、ラベンダー、タイム、ローズマリーなどのハーブの香りを持ち、フルボディーかつ高いアルコール度数、高いタンニンレベル、中程度の酸味が特徴。
合わせる料理は、グリルした肉、バーベキューなどのしっかりした肉料理を推奨。
モナストレルのワインはこちらを参照。